ラサというもの

12月27日(土)

今回、私はガムランについて、たくさんの質問を抱えてやってきました。日本でガムランを演奏したり教えたりしていると、様々な疑問にぶつかります。教える先生によって意見が違うことも多く、「AとB、本当はどっちなの?」ということがよくあります。そこで早速幾つかこちらの先生に伺ってみたのですが、「どちらでもOK。大事なのはラサだよ」とよく言われます。ラサ rasa というのは、辞書によると「感覚」「感情」「心持ち」というような意味。つまり、やり方としてはAでもBでも間違いではないが、その曲の雰囲気や味わいに相応しいやり方を選ぶのが一番大事だということ。ガムラン演奏の規則は決して一つに定まっているわけではなく、そのあたりがたった一つの正解を求めたがる日本人にとってはちょっとわかりにくいところなのです。ラサについても、人によって時に意見が分かれるので、演奏法にも複数の意見が出てきてしまうのです。昨夜、別の先生に別の質問をしてみたら、「要はラサだよ」と、やはり同じ答え。うーん、問題は解決したようなしないような…。